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結論(30秒):耐火袋は「消火」ではなく“延焼を遅らせる補助”。機内は手元管理が前提

モバイルバッテリー耐火袋(耐火ケース)は、発火時の炎や高温ガスを完全に消す道具ではなく
被害を最小化するために延焼を遅らせる(隔離する)“補助的な備え”です。
とくに航空機内では、国土交通省の協力要請により収納棚に入れず、状態が確認できる場所に置く運用に変更されています。

用途別:必要度の目安(判断チャート)

シーン 耐火袋の必要度 理由(要点)
飛行機に乗る(国内線/国際線) ★★★ 機内では早期発見・初期対応が重要。収納棚に入れず手元管理が前提(ルールは後述)。
旅行・出張で持ち運ぶ ★★☆ バッグ内の可燃物への延焼リスクを下げる“隔離”として有効。
自宅で保管する ★★☆ 保管環境(高温回避・端子保護)と併用すると安心度が上がる。
防災備蓄・複数台保管 ★★☆ 万一の初期延焼を遅らせ、周囲への被害を抑える“備え”になりやすい。

最重要:耐火袋があっても、粗悪品・過充電・高温放置などの条件では事故リスクを下げきれません。まずは「品質」「使い方」「保管」を整えたうえで、“最後の備え”として活用するのが現実的です。

はじめに

スマートフォンやタブレットの充電手段として、モバイルバッテリーは日常の必需品となりました。
一方で、リチウムイオン電池の特性ゆえに、発熱・発煙・発火事故のリスクは決して無視できません。
特に航空機内での事故報告が増えており、各所で取り扱いの厳格化が進んでいます。

そんな中で注目されているのが「耐火ケース(耐火バッグ/耐火袋)」という対策です。
この記事では、最近の発火事例、耐火ケースの効用と限界、選び方と注意点を紹介します。

1. 【2025年7月8日〜】機内のモバイルバッテリー新ルール(国土交通省)

国土交通省は、機内でのモバイルバッテリー発煙・発火事例を踏まえ、2025年7月8日から本邦定期航空運送事業者の統一的な取組として、
乗客への協力要請事項を示しています。

変更点(要点)

  • 収納棚(オーバーヘッドビン)に入れない:常に状態が確認できる場所に置く
  • 充電は“状態が確認できる場所”で:モバイルバッテリー→端末、機内電源→モバイルバッテリー いずれも対象
  • 預け荷物は不可:モバイルバッテリーは機内持ち込み
  • 外国航空会社は各社指示に従う

出典(一次情報):
・国土交通省 報道発表「モバイルバッテリーを収納棚に入れないで!~7月8日から機内での取扱いが変わります~」
https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku10_hh_000284.html
・報道発表資料PDF
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001897567.pdf

よくある質問(FAQ)

Q1. 耐火袋に入れていれば、収納棚に入れても大丈夫?
A. いいえ。協力要請は「収納棚に入れない」こと自体がポイントです。耐火袋の有無とは別に、手元で状態確認できる場所に置きましょう。
Q2. 機内でモバイルバッテリーからスマホへ充電していい?
A. 協力要請では、充電は「常に状態が確認できる場所」で行うことが示されています。バッグの中や収納棚にしまったままの充電は避けましょう。
Q3. 機内電源からモバイルバッテリーへ充電してもいい?
A. 同じく「状態が確認できる場所」で行うことが示されています。発熱の早期発見が目的です。
Q4. モバイルバッテリーは預け荷物に入れられる?
A. 原則として不可です。機内持ち込みにし、個数・容量制限は航空会社のルールに従ってください。
Q5. 容量(Wh)や個数制限の目安は?
A. 一般的な国際的ガイダンスとして、100Wh以下は制限が緩い一方、100Wh超〜160Whは航空会社承認が必要、160Wh超は不可とされることが多いです。詳細は搭乗会社の規定に従ってください。
参考:IATA「Passenger Travelling with Lithium Batteries」
https://www.iata.org/contentassets/6fea26dd84d24b26a7a1fd5788561d6e/passengers_travelling_with_lithium_batteries.pdf

2. 最近の発火事故と航空業界の対応

ANAが“Fire Resistant Bag”を開発

2024年、ANAは客室乗務員の現場からのアイデアをもとに、「Fire Resistant Bag(耐火バッグ)」を菊地シート工業・TOPPANらと共同開発しました。
発煙・発火の恐れのある機器等を入れて保管・移動できる対策バッグで、素材構成や規格(JIS)に関する説明も公開されています。

ANA Fire Resistant Bag(イメージ)

出典:ANA Group
https://www.anahd.co.jp/group/pr/202411/20241129-4.html

3. 耐火ケースとは何か?その仕組みと効果

耐火ケース(耐火バッグ/耐火袋)とは、通常の素材とは異なり、高温・火災時に燃えにくい素材や断熱層・難燃層を採用した袋状のケースです。
モバイルバッテリーが異常発熱・発火した際の炎や高温ガスを遅延・遮断し、延焼・衝撃拡散を抑える目的があります。

ただし、耐火ケースは“火を完全に消すもの”ではなく、“延焼を遅らせる”補助的な道具と考えるべきです。
あるレビューにも「密閉できないため、消火はできない」といった趣旨の声があります。

耐火ケースの効果と限界

  • 効果的な場面:発熱の初期段階で炎が外部へ拡がるのを遅らせる/可燃物への延焼を抑える/火元を隔離して他物の被害を減らす
  • 限界・注意点:内部に熱・ガスがたまる/激しい発火には遮断できない/長時間密閉は高温が継続しやすい/縫い目やファスナーが弱点になり得る

4. やってはいけないNG例(具体例):耐火袋があっても危険になる使い方

  • 耐火袋に入れたまま長時間充電する:熱がこもりやすく、異常に気づくのが遅れます。
  • バッグの底で強く圧迫・衝撃を与える:内部短絡のリスク要因になり得ます。
  • 金属(鍵・コイン等)と一緒に放り込む:端子接触による短絡リスクを上げます。
  • 高温環境(車内・直射日光)に放置する:劣化・膨張・発熱のリスクが高まります。
  • 膨張・異臭・異常発熱があるのに使い続ける:異常サインが出ている場合は使用中止が基本です。

※国土交通省の報道発表でも、リチウムイオン電池は衝撃による内部短絡や過充電等で発熱・発火のおそれがある旨が説明されています。
https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku10_hh_000284.html

5. 耐火ケースを選ぶときのポイント(“温度表記だけ”で選ばない)

耐火ケースは「耐熱温度◯◯℃」の数値だけで優劣を決めにくい製品です。
縫製・開口部・素材の層構造・想定用途まで含めて判断しましょう。
例えばANAの対策バッグでは、素材構成としてJISに関する説明(JIS A 1323 A種合格品のフェルトシート等)が公開されています。
市販品でも「試験・認定・素材構成の説明があるか」は重要な判断材料になります。

参考:https://www.anahd.co.jp/group/pr/202411/20241129-4.html

チェック項目 推奨仕様・目安 理由(見方)
耐熱・遮断性能の説明 「試験条件」「想定用途」が明記されている 温度“だけ”では比較しづらい。試験条件の有無が信頼性に直結。
素材・層構造 複合構造(例:ガラス繊維・不燃繊維・アルミ層など) 単一素材より、遮熱・難燃の役割分担がしやすい。
縫製・ファスナー 難燃糸/二重縫い/開口部の弱点対策 縫い目・開口部は弱点になりやすい。
大きさ・収納性 本体より少し余裕のあるサイズ 出し入れしやすく、熱だまりを作りにくい。
緊急時の操作性 持ち手/素早く開閉できる設計 異常時は「すぐ隔離」ができる方が安全。

楽天市場で「モバイルバッテリー ケース 耐火」「耐火 袋 モバイルバッテリー 日本製」などで検索すると選択肢が見つかりますが、
レビューで「密閉性に欠ける」「あくまで燃えにくい程度」といった指摘がある点も踏まえ、過信せずに選びましょう。

6. 耐火ケースの使用シーンと注意点

利用シーンの例

  • 旅行/出張中の携行:バッグ内で延焼リスクを抑える
  • 保管時:使用後・未使用時の長期保管
  • 航空機搭乗時:手元管理が厳格化された機内での一時隔離保管

注意点

  • バッテリー本体の品質を重視:粗悪品は耐火ケースだけでは防げません。
  • 過充電・高温条件を避ける:ケース内で長時間充電し続けることは逆効果な場合も。
  • 定期的な点検:破れ・縫い目のほつれ・高熱による劣化をチェック。
  • 消火機能を過信しない:耐火ケースは消火器ではありません。火災が激しければ専門的な消火が必要です。
  • 法律・規制の遵守:航空機搭乗時などは、ケースに入れていても持ち込み規則は適用されます。

製品例:おすすめ耐火バッグ・耐火ケース(PR)

※以下は製品例です。選定は「用途・構造・説明の透明性(試験/素材/縫製)」を基準に、過信せず安全習慣と併用してください。

モバイルバッテリー 耐火 バッグ 日本製

日本製素材または国内製造の耐火バッグを探す方向け。耐火仕様・検査済み表記の有無をチェックしたい製品群です。


モバイルバッテリー 耐火 バッグ 日本製(イメージ)


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大型耐火 セーフティバッグ

モバイルバッテリーおよび付属アクセサリをまとめて収納できる大型タイプ。旅行や長期保管時に安心感を与える設計が魅力。


大型耐火 セーフティバッグ(イメージ)


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まとめ:耐火ケースは“補助的な備え”として活用を

モバイルバッテリーの発火リスクはゼロにはできませんが、安全を高める手段は複数存在します。
その中で 耐火ケース は、事故発生時に被害を最小化する「備え」の一つとして有効です。
最近の航空業界の動き(ANAの耐火バッグ導入、国土交通省の協力要請)を見ても、対策意識は高まっています。

とはいえ、耐火ケースだけで完全に安心というわけではありません。高品質なバッテリー選定・発熱管理・適正使用・定期点検と併用することで、安全性が高まります。
充電中は近くで見守る・高負荷充電を避ける・高温環境を避けるなど、日常的な安全習慣も意識しましょう。